ICMMメンバー国鉱業協会対話2019年会議報告

2019-08-27

2019年8月26日
企画調査部:吉田直人

MAD (ICMMメンバー国鉱業協会対話)2019年会議報告

  1. MAD会合主旨 (MAD: Mining Association Dialogue)
    ICMM(International Council on Metal & Mining)会員国の鉱業協会のメンバーが年1回集まり、直近の共通テーマや各国の鉱業上の課題を披露して、自由に意見交換を行ない、または、外部関係者を呼んで討議をする。フリートークが目的のため、会議の詳細は非公開である。

 

  1. 出席者、実施場所
    今回は、アメリカ、カナダ、チリ、EU(ユーロマイン)および日本から合計7名が参加した。南ア、豪州は、ときどき参加する。最近の参加人数は10名内外に外部講師数名とのこと。

    2019年の会議は8月6日にチリのコピアポ市で開催した。これは、同時期に同市で行なわれたAPECマイニングウィーク会合に合わせて実施したためである。

 

  1. 討議テーマと要旨
    (1)鉱業におけるサイバー・セキュリティ対策(チリ鉱業大臣が外部講師で講演)
       バルド・プロクリカ鉱業大臣(Mr. Baldo Prokurica )を交えた討議。
       探鉱情報等、機密性の高い鉱業情報の漏えい防止システム構築について。

    (2)テーリングダム国際管理規準づくり
       2019年1月に発生したブラジルにおける鉄鉱石鉱山のテーリングダム崩落事故を受けて、急きょICMMのリーダーシップのもとに発足した
       独立委員会によるテーリングダム規準策定の動きや目標についての討議。現在のスケジュールでは、独立委員会は8月末に草案を発表し、
       9-10月に関係者より意見聴取、12月下旬に最終案公表予定である。

    (3)ユーロマインの課題
       持続的開発関連テーマのうち、水資源の確保が注目テーマ。
       欧州内におけるリサイクルシステムの構築構想。

    (4)デジタル課税に対する鉱業例外取扱い要請 (豪より外部講師)
       豪企業の税務担当者が外部講師で参加。鉱業における多国籍企業に対する各国での所得税課税に関して、OECDのデジタル課税についての
       新提案ルールからの例外取扱いを要請しようという主旨。提案理由は、国際商品は価格が世界共通で、意図的に付加価値を増減させられ
       ないから脱税などができない事業であること。

    (5)近未来における金属資源の安定確保 (米より外部講師)
       米人が外部講師で参加。EV(電気自動車)の普及、精密機器類の進化で、2050年以降は深刻な金属資源不足になる。また、20年後には従来
       タイプの金属やレア・アースでも供給不足不安が増大する。関係者が協力して、必要資源の安定確保やリサイクルシステムづくりを考える
       時機になったのではないかというアピール。

    (6)鉱業分野における女性の登用 (チリより外部講師)
       2019年6月にコピアポ市で行なった本テーマの会議報告。鉱業分野の女性従業員比率が10%程度ゆえ、女性登用や職場環境整備、男性主体の
       鉱山会社文化の見直しをアピールする宣言を行なったことを紹介。

    (7)その他の話題
       鉱業イメージの改善、NGOやNPOによる鉱山業へのネガティブ意見表明、チリの鉱業分野における最近の持続的開発への取り組み。

 

  1. 全体の雰囲気など

  ・小人数、馴染みの顔ぶれ、非公開での討議のため議論に深みがある。
  ・将来テーマ等に目を向けるので、鉱業政策を考えるときの視野が広がる。
  ・外部講師等も来るので、人脈も広がる。
  ・課題意識が明確なので、レベルの高い議論ができる。
  ・事業体験と離れた議論になる場合があり、要改善点である。

(MAD会議風景。2019年8月)

以上

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